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[コメント] シンプル・プラン(1998/米)

サムライミが放つ人間幸福論。
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







主人公は良くあるタイプの学はあるが、 自分の意見に自信は持てず、何か心配事があると妻に吹聴しなければ安心出来ないし、妻に何か入れ知恵されれば、ほとんど何も考えずにその行動を実行してしまう と言った兵隊。 もしかしたら、自分で考え抜いた末の結論であると本人は思っているのかも知れないが、様々に変わる周りの状況に対応を仕切れないで結果として、 人が言った事に迎合してしまう様な、

要は人に何か言われる事によって安心を求める一般的な田舎の人間である。

そして、妻はそれを支え日々の不満はあれど、 子供も出来る事もあってか何とか妥協して生きていこうとする強さ人間である。

その兄は、昔日の日を引きずり、人生に関してウマクいかなくてそれを人のせいにもしたいが、それを出来る程冷たくも無い人間。 そしてその思いを昔、自分が住んでいた土地に馳せると言う、

要は、郷愁と言う自分だけの思いの中に浸りたい人間である。

そして友人のルーはその気性と借金もある為か、 どうにもならなくその破綻してしまい、周りに迷惑をかけながら生きてしまうと言う非社会適合者。

それなりに皆、生きてきたが、金を見つけた為に人生が一変する。 人間関係の破綻である。

特に、兄弟間の破綻は見ていて痛ましい、 幸福になる為に、ポーチで弟やその家族や自分で将来持つ事が出来たかもしれない家族と一緒に食事をする為に、金が必要であったのに、 兄のそれは死への傾倒と言う事でその思いは成就される。

人間にとっての幸福とはその安心である、金だの家族だのその触媒は色々あれど、 要の所ソレは人へ依存する事によって得られる安心にある。

だから、みんな疑心暗鬼になるし、一方で信じたいと思うのだ。

兄を撃ち殺した弟は、金も使えない、 只々虚無感を抱いて残りの人生を棺桶まで全うする。

ラスト、兄が弟の子供に残した、くまのぬいぐるみも、見ている者の虚無感を煽りとても哀れさを誘う気分にさせる。

ええ〜い、ここまで長々と文章書いて来たんで言ってしまおう、

この作品はその閉鎖性、 金によって失われるモノと得られるモノ、 そしてその金に操られ触発する人間関係、 とそのカタストロフ、 『ゴッドファーザー』に匹敵する、人間ドラマだと思います。

・・・いや、まあ少し言い過ぎですけどね。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] モモ★ラッチ[*]

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