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[コメント] 狼の血族(1984/英)

これは狼と少女の歪んだ愛情物語だ。(レビューはモロ電波を受けて書かれていますので、読み飛ばしてください)
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 『ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』とは違い、映画オリジナルのホラー作品として作られた狼男だが、起源はかなり古い。人類の起源と共にあると言って良いほど。月と人間のバイオリズムには確かに関係があるようで、満月は特に人と狼を狂わせる(故淀川長治氏も満月を見ると血が騒ぐと彼のエッセイにはあった)。月は人間と狼を結びつける絆であり、それがいわゆる人狼伝説を造り出した一つの理由となるだろう。

 狼男伝説は中世ヨーロッパでは魔女裁判として記憶されるもので、人が狼に変わるのは魔女の仕業に違いない。いや、魔女そのものだからそのような変化が出来るのだ。と言う論理になっていく。ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)に伝わる物語で、グリム兄弟によってまとめられた「赤頭巾ちゃん」が書かれた時代は魔女裁判華やかしかり時代と符合するそうで、そもそもがこの「赤頭巾ちゃん」の物語自体が狼男の伝承の一つと言われることもある。

 そう言う意味で言えば、狼男と赤頭巾ちゃんというのは非常に親和性が高いし、それがエロティックな関係になっているのも当然と言えば当然(狼男は“野獣のような人間”とカテゴライズされるし、それに元々「赤頭巾ちゃん」の話は子供を森に近づけないようにするための寓話だが、狼に食い殺されないように、と言うよりは変人にレイプされないように。との意味を多分に含むらしい)。この映画のモティーフこそがオリジナルの「赤頭巾ちゃん」に近いと言っても良いくらい。

 ストーリーを考えても非常にアレゴリカルに狼男=男の獣性を表してる。狼男を見てしまったためそれがトラウマとなる少女は(大変失礼且つ独断的な書き方だが)、レイプされてしまった女性の姿とダブる。その無防備さがラストシーンで再び狼に襲われると言う形で表されるような気がするのだが…そうすると、彼女は狼男を怖がりながらも受け入れてしまう事になるんだろうか?…済まん。本当に下品なレビューになってしまった。これ以上書くと自分でも何を書いてしまうか怖いので、ここで筆を置かせてもらう。

 …そうそう。後のアニメ作品『人狼 JIN-ROH』(1999)はまさにその点の強調が強く出ていた気がする。と、すると本作はあの作品の親作品と言っても良いのかも知れないぞ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)tkcrows[*] 水那岐[*]

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