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[コメント] わるいやつら(1980/日)

実に松本清張らしく面白い話でどんでん返しの連続だが、テレビドラマの域を出ない。(2012/05/18)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







当時上映されたころのこともなんとなく思い出されるが、今この時代になってこの映画を見るといずれの女優も美しい。

松坂慶子は言うまでもなく梶芽衣子にせよ宮下順子にせよ、とても美しく名演だと思う。

ただ残念なのは野村芳太郎監督に、この女性のどろどろした演技は似合わない。どこかギクシャクしていて、その本来持つ女性の根源的なところまでは描かれていない。

冒頭のファッションショーのシーンでファッションデザイナーの松坂慶子が何者かにビンタをくらうシーンがあって、これが最後の最後に生きてくるのだが、女性が求める自らの意思とその求めるもののためにはどんなことでもやりますよ、という姿勢のおどろおどろしさが表現されていて、これは原作の勝利だろう。

主人公の医師(片岡孝夫)を支える婦長(宮下順子)が、医師に対してどんな女と浮気してもよいが松坂慶子とだけは許さない。魔性の女だから。というくだりは女性のカンが冴えるシーンと言える。

女性のあり方について複雑に考えさせられる問題作だが、殺される男としてはつらい作品である。

しかし、生きるために何者にもとらわれないという女性本能は女性が自らを守るという本能に裏打ちされていることもよく示していると思う。

映画としてこの映画をどのように評価すべきかについて、少し悩ましい点が多いが、この時代の松竹映画は映画館で見るための資質に及んでいない。

それはカメラと照明など技術的な問題でもあるが、これを今、映画館で鑑賞するレベルにあるとは思えない。

所詮テレビドラマレベルとしか思えない作品であったのが残念。

原作が強すぎて、映画としての個性が生まれなかった。

(評価:★3)

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