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[コメント] 白夜(1957/伊=仏)

原作から病的な内省を除いてただのメロドラマにした具合で、マルチェロ・マストロヤンニでは平凡に過ぎた。鬼瓦のようなジャン・マレーと可憐なマリア・シェルの組合せの異様さばかりが心に残る。
寒山拾得

これはマストロヤンニの歪んだ心情風景だっただろうか。

雪がなあ、もっとボタボタ降っていたような記憶があったのだが、違っていてがっかりした。『8 1/2』と混同していたのかも知れない。ふたりでボート漕ぎだして気がついたら貧民たちに取り巻かれている、という件は何だったのか。ヴィスコンティ左翼時代の幻影が垣間見える以上のものがない。

オールセットは上等だが、舞台中継っぽい窮屈さも感じる。『ウエスト・サイド物語』みたいなゴーゴーの夜は寡黙で良好だが、さらに原作から離れた憾みがある。なんで「白夜」なのかは原作でも映画でも判らない。

(評価:★3)

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