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[コメント] 遊星からの物体X(1982/米)

独自の色で特殊メイクなどを表現したカーペンターに関しては満点だけど、鑑賞した時代が悪いのか、教科書に則った展開とオチにしか受け止められない。そして、あれだけ人間がいるのに緊張感や終末感が得られないのは何故だろう。要するに→
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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エピソードがめちゃくちゃ盛り上がる作品。そして、伏線をうまく消化できずに終わってしまう作品。…だなぁと。

犬が同化させられたり、男が狂い暴れたり、クリーチャーを解剖してみたり、なんでもかんでも爆破したり……。ぶつ切りにして、1つのエピソードだけを語っていくと非常に面白い作品ではある。カーペンターの趣味や、なかなか雰囲気にマッチした音楽などの効果も良かった。特に、ねちゃねちゃっとした素晴らしい特殊メイクの撮り方は素人ながら秀逸だと感じた。そんな中で、中盤〜終盤のとんとん拍子の展開や大きな見せ場に欠けるところなど、どーもスッキリしないのだ。「The Thing」が「The Thing」のままでしか描かれないところは狙いではあるだろう。けれども、密室とも表現できるであろう南極に大勢の男達がおり、未知の生物によって仲間達が惨殺されていくわけだから、「緊張感」「終末感」は最低限感じるだろうことで、もっと強く時間を割いてでも描いて欲しかった。

個人的には、仲間の誰かが同化させられていることを恐れて血液検査するシーンが一番の山場だった…。それまで強気だった黒人が、めちゃくちゃ真剣に怯えて縄を解こうとするところなんてまさしくカーペンター(笑)

てなわけで、王道の筋道を外してこない展開が真面目な作品だと思わせる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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