[コメント] 赤毛(1969/日)
ほとばしる才気にあふれながら、時にその才気がいやみに感じられる、喜八監督の姿そのままのような映画というべきか。しかしそういう形で自分の思う様を正直に、打算なくスクリーンに映し出そうとする喜八監督の、映画人としての純粋さは、何らかの心地よさをもたらす。
ストーリーの方は、百姓が赤報隊に入って故郷に錦を飾ったはいいが・・という感じで無理はなく、ありきたりな感じの中にも自己保身に汲々とする庶民の切実な姿と、それを乗り越えて圧制者に対する、シニカルな怒りと、満遍なくそろっているのだが、かえってそろいすぎてそつがなく、その辺がいやみに感じられた。
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