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[コメント] 渋滞(1991/日)

良作ロードムービー。渋滞車のそれぞれにドラマがあるのだなとしみじみ感じた。
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







年末、GW、お盆と、日本の風物詩である「渋滞」のニュースがTVで流れるたびに自分は、 「絶対に渋滞になるとわかっててなんでわざわざ車で帰るんだろ?日本人って行列待ちが好きだからなあ。」 と呆れていたものだが、この映画を見て疑問が氷解。交通費を浮かせるという涙ぐましい意味もあるが、日頃はできない家族とのコミュニケーションをはかれる利点もあるんだなあと。

見る前はこんな単純なテーマでどう飽きずに見せるものかと興味深かったが、 結構バリエーション豊かで面白かった。(カップルと何度も会うのは都合よすぎだが。) 特にボケ始めてた父親が最後に正気を取り戻して寒ブリを投げ込むシーンは味わい深い。

ケニー・Gの音楽だが、この頃売れまくってたから使いたくなる気持ちもわかるが、 一本やりなのは芸がない。自分は彼のサックスが流れるたびに「アメリカじゃ渋滞なんてないんだろうな。」と、スイスイ走るアメ車が頭に浮かんで違和感を感じたものだ。

アメリカの渋滞といえば『フォーリング・ダウン』を連想するが、 渋滞に従順な日本人の姿を描いたこの作品と、我慢できずキレるアメリカ人の姿を描いた「フォーリング・ダウン」。どちらも対照的で面白い。 自分が名画座の支配人ならこの二本を組むな。

スナックのママ(かたせ梨乃)が藤沢周平の「蝉しぐれ」を読んでたが、監督よほど好きなんだな。映画化できてよかった。(こっちの映画はつまらなかったが。)

(評価:★4)

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