[コメント] 季節の中で(1999/米=ベトナム)
優雅な映像で魅せる品の良いアジア映画。イヤミに感じる人もいるかも。
ベトナムの映画だろうか? ハーベイ・カイテルが製作協力つーか、エクゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされ、出演もしている。 ハリウッドの資本やスタッフも入っているのだろう。 内容は、いわゆる群像劇。いくつかのストーリーが並行に進みつつ微妙に絡む。 全体に洗練された作風が目立つ。たしか監督は初めてじゃないのか? 絵づくりが、ライティングも含めてハリウッド風。音楽も、エスニックな味付けをしながら品良くまとめて、坂本龍一風。 随所に人々の貧しくもたくましい生活ぶりが描かれる。しかし、汗や体臭が伝わってくるようなストレートな泥臭さは無く、あくまでキレイに見せる。 ホームレス同然の子供たちが裸足のまま雨降る路地でサッカーをするシーンなど、画面は暗いのだが、なんか詩的で優雅なのよね。 そんな感じなので、この前見たチャン・イーモウの「あの子を探して」の素朴さとは好対照。 同じテイストを期待してたが、見事に裏切られた。 もっとも、作ってる方も、アジア・イコール土着性なんてハナから考えてなかったんだろうけど。 ストーリーは、どれもうまくできているのだが、複数同時進行のため、ひとつひとつの彫り込みが浅いのが残念。 群像劇なのに2時間いかないというのが、品の良さでもあり、食い足りなさでもある。「マグノリア」はお腹いっぱいだったが長すぎた。 アジア映画とひとつに括るのは大雑把だけど、とにかくアジアは良いわ。
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