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[コメント] ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999/米)

「藤岡弘、探検シリーズ/伝説か?真実か?!アメリカ中部・ブレアの密林に魔女の姿を見た!!」
荒馬大介

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ……とした方が、「映画作品」としてはるかに面白くなると思いませんか?

 正直なところ、この映画には恐怖を感じなかった。まあ事前に情報をかなり仕入れた状態での鑑賞だったので、「これはウソです」と分かっていたからかもしれないが、仮にそうだと分かっても面白いと思えればヤラセでも一向に構わない。だが残念なことに、そんな自分の期待に応えてくれるような作品ではないのである。確かに出演者3人は本気で驚き、恐怖におののいているのだろう。手持ちカメラによる臨場感と恐怖感、上手く仕込まれた効果音など、非常に真実味を帯びた作り方は高く評価出来る。

 しかし、そこまでなのだ。“実にリアルである”、この映画の評価はここで止まってしまい、それ以外で誉める要素を見つけることが出来なかった。

 そう、この映画は「本当にあった話」としてまことしやかに語り継がれ、噂が噂を読んでついに社会現象となるまでが楽しいのであって、「ウソだ」と分かった時点でその楽しみが終わってしまう可能性を最初から秘めており、それ以外で観ている側を楽しませる要素が全く無いのである。「映画はエンターテイメント。」かもしれないが、映画そのものではないところでエンターテイメントが成立している場合もある。映画自体が面白くないのでは、どうしたって低い点数しか付けられない。

 じゃあ映画自体を面白くするのならどうすればよいのかというと、先のコメントのように“どこかいかがわしさを感じつつも興味をそそらずにはいられない”という要素をどこかに含ませる必要があったのだ。だからといって、頭の上からヘビやタランチュラを降らせろといっているわけではない。別にブレアの魔女が見つからなくてもいい、そこに至るまで最後まで期待させてくれる何かが欲しいのである。リアルすぎたおかげで、その要素があまりにも少ないのは勿体無い!

 もしも、これが探検隊なら……。

隊員「隊長!これを観て下さい!」

藤岡弘「……これは……!」

ナレーション「カメラには不思議な白い影が映っていた。カメラの録画時間は1分おきに2秒間、つまりそのわずかな時間に、何者かがカメラの前を通過していったことになる。別の場所に仕掛けられたもう一台のカメラにも、やはり同じ白い影が映っている。果たして、この影の正体は一体何なのであろうか?」

隊員「魔女ですかねぇ?」

藤岡弘「いや、断定は出来ん。だがひょっとしたら……」

ピー、ピー、ピー(トランシーバーの呼び出し音)

藤岡弘「こちら隊長、どうした?」

隊員の声「隊長!変な足跡があります!」

一同「何?!」

ナレーション「ついに我々は、魔女がいるという確証をつかんだ!」ドギャーン!!

 ……これくらいやらないと、映画作品そのものが「エンターテイメント」にはならない(勝手な推測ですが)。「2」「3」が最初ほどの話題にならなかったのも、結局は映画以外で起きた「現象」に飽きられ、映画自体にさほどの魅力が無いことを見抜かれたからではないのか。監督の二人組は、才能があるというか無いというか……。あんた達、メガホン取らないで宣伝部でも入ったら?

(評価:★2)

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