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[コメント] カイロの紫のバラ(1985/米)

明日を信じて笑顔を忘れないで欲しい、信じ続けるそのこころも。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これはフェデリコ・フェリーニ監督の『カビリアの夜』にオマージュを捧げた作品だと思います。

カビリアとミアとの比較

現状に満足できないのにその殻を破れない。しかしきっかけがあれば…って言う消極的であまり利巧でもない女性。

殻を打ち破るための手段

フェリーニにとってはサーカス。

アレンにとっては映画。

そして二人の女性にとってそれは、「あくまで信じ続けること

もっと大人になれよ、と心の中では思いながら、ラストの彼女たちのあの晴れやかな表情を見てしまうと、彼女たちこそ芯の強さをもっているんじゃないかと思ってしまう。1度や2度の失敗でめげない姿を見ると、悟ったように苦言なり忠告しようとしてしまう自分の「信じ続けることのできない」弱さを感じてしまう。

ミアの映画に対する愛情

それは確実に映画を積極的に観ようとする多くの人の愛情にも相通ずる。だからラストのミアの表情を見て多くの人が感情移入できる。自分が映画を観ているときの表情もきっとあんな表情なんだ、と思って。

ラスト

ラストのミアの晴れやかな表情はカビリアに匹敵するとは言いすぎだとしても、その表情を見る限りこれはやはり(『カビリアの夜』がハッピー・エンドであるのと同じく)ハッピー・エンドだと思う。裏切られてもきっと彼女は夢を見ることをやめない。しかし彼女は以前とは違う、強さを手に入れた。カビリアと同じように。

だから、なんと言ってもラストのあの表情が好きだ。女優の残してきた名シーンの10傑にカビリアの表情も入れてやってください。>ザ・ミゼラブルさん

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ヤッチ ina

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