[コメント] カイロの紫のバラ(1985/米)
あいまいになった虚実の往還、特にその「還」の部分を苦く切なく、しかし力強く描いた『ビューティフルドリーマー』(押井守)が横綱の高みと深みだとしたら、これは前頭三枚目くらいではなかろうか(適当)。現実がこっそり牙を剥き続ける一本調子がけっこうしんどい。ファローの造形も、サマンサ・モートン(『ギター弾きの恋』)の超絶的造形の背後に霞んで見える。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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でも、幻影と現実の垣根が突然取り払われる(「虚」に取り込まれる)シーンの驚きは大切にしたい。ものすごくスリリング。この瞬間のために映画を観るのだ、そして、胸を張って、少し大きくなって戻っていくのだ。
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