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[コメント] 暗黒街の対決(1960/日)

三船敏郎が、二つの派閥(河津清三郎の組及び、敵対する鶴田浩二)の両方に近づいたり、組んだりしながら、かき回す、『用心棒』的なプロット展開だが、こちらの方が黒澤より先なのだ。
ゑぎ

 ちょっと未整理で落ち着きのないシーンが多いとも思うが、言い換えれば岡本喜八の演出はとてもイキがいい。例えば、殴る、投げる、拳銃を撃つ、空気銃を撃つ、といったアクションの途中で素早く切って繋げるカッティングが多数出て来る。その際、マッチカットも頻繁に使われる。あるいは、河津が経営し、司葉子がいるクラブのシーンの空間描写。2階席と1階のカウンター席。さらに、ショーのステージといった構造が、見事に画面で活かされている。またこのクラブで唄う三人組の若い殺し屋(天本英世ミッキー・カーティスがいる)のキャラクターも面白い!

 その他、ちょっとしか出ないが、印象深い喜八組の東宝脇役陣が入り乱れる。これもまたイキがいいのだ。脇役を備忘で書き始めるとキリがなさそうなので、一人だけあげておくと、(天本英世は上で書いたので)プロローグとエピローグが列車の中の沢村いき雄のシーン。一緒にいる踊り子(ヌードダンサー)の所作に注目!

(評価:★3)

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