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[コメント] ナチュラル(1984/米)

こゝでも期待が大きすぎた、という虚しい言い訳をしなければならない。まず、完全に先が読めるプロット展開がいけない。ラストが読める、どころか次のシーンが読める。それでもディテールで驚かしてくれるのなら、そんなこといっこうに構わないのだが、そういう部分もない。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 レッドフォードの少年期のシーケンスがチャチだし、彼の母親が描かれていないのも不満だ。田舎でのグレン・クローズをもっと見せておくべきだったとも思う。あの夜に子供を宿すのも、伏線でもなんでもない誰にだって読めてしまう。また、キム・ベイジンガーの性格が中途半端で魅力が無いし、それはレッドフォードにおいてさえ云える。稲妻の後の超人的活躍や、御都合主義的とも云えるライバル右翼手の死やバーバラ・ハーシーの役割などを指摘して貶すつもりは全くない。むしろこれらの部分はこの映画の魅力だと思う。

 先が読めることにおける失敗とはこういうことだ。欲しい、見たいと思ったシーンが表れてくることなく、お定まりの展開、もっと云えば、こうはなって欲しくない、という展開をすることだ。バーバラ・ハーシーとのベッドシーンが見たかった。最後の試合でレッドフォードがマウンドに上がる展開を見たかった。こういう欲求不満が募ってくると、「サヴォイ・スペシャル」というバットの良くできた伏線も吹っ飛んでしまう。

(評価:★3)

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