個人的な好みの問題だけど、むかつくキャラを使ったストーリー構成は嫌いなんで。嫌なヤツを祭り上げて憎しみの対象とし、そいつを最後に叩き落す事でカタルシスを観客に与えようとする方法が安直でダサい。世の中にはむかつくヤツが実際に居るし、そいつらのせいで悲劇をこうむることもあるけど、それ以上に、誰も間違っていないのに生まれる悲劇が本当の悲劇だと思う。別に悲劇じゃなくハッピー・エンドの場合でも同様だと思う。

この映画では、結局ハッピー・エンドなんだろうけど、グレン・クローズにとってはバッド・エンドだし。リブ・タイラーは今まで観た中で最も魅力的だし、他の人物もウィリスを信じているところとか好感が持てていいんだけど、このストーリーの本質的な部分は、上記のような方法論に依存しているわけで、そういったところで自分の中で好きになりきれない。実際は良い映画だと思うけどね。 　2000/6/30