過去への執着と、それへのサヨナラ。心理的な距離感を目安に置いて人物を動かしていくような脚本の造りは面白く感じた。出会うべき時には、余計な段取りを経ずにすっと出会ってしまうところ。

セックスが凄い。ＡＶ的な平板な露骨さではなくて、かつてのロマンポルノの秀作に於けるようなまさにセックスそのもの、ふつうの大人の刹那的な貪り合いとしてのそれ。ヤッてる時のかたせ梨乃が平生と別人になって悶えてるのが素晴らしい、美しい。これが演技なら（演技だろうけど）偉いと思う。柄本明は役得、かな。

ひとつ謎なのが、店の子と客の爺さんの関係。なんなのだろう、あれ（妙に生臭い感じでオモシロかったケド）。そう言えば、奥田瑛二と加藤治子の近親相姦的な母子関係も生臭い。あの歳になって「育て方間違った」なんて言われてしまうとは、情けなさすぎる（笑）。