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[コメント] フランケンシュタイン(1931/米)

余りにも窮屈な倫理観。フランケンシュタイン博士の墓掘りなど、科学者として先駆的な態度ではないか、と云いたくなる。別に生きた人間で人体実験をした訳ではないのだ。もっとも、遺族に詫びのひとつも入れなくてはならないだろうが。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







このような実験、昨今の科学者なら遺体の提供を受けて誰でもやっていることであるが、アメリカの田舎町ではいまでも非難されるのだろう。なにせ、いまだに進化論も否定されているらしいから。

旧弊な性格の男爵と、男爵一家の結婚式に沸き立つ旧弊な村とくれば、連中に皮肉のひとつも浴びせられる展開かと観ていると、先祖のワインなど取り出してハッピーエンドで終わる(遺体の盗掘はどうやら不問に伏される模様である)。村の怪物退治のKKK的狂気がそっくり肯定されており、怪物よりもこちらの方が不気味だ。だからこそ、怪物の哀れが引き立つのであったが。

なお、原作者メアリー・シェリーの父はマルサスとも論争した著名なアナキストで唯物論者とのこと。この映画の物語は原作とは全く関係がない。

(評価:★3)

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