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[コメント] 少年、機関車に乗る(1991/タジキスタン)

きっとこの国では時間がゆっくり流れている。そして人の営みもまた、いつ着くか判らない列車の如く・・・狂騒的な『ルナ・パパ』がまるで嘘のようなほのぼのとした(レール?)ロードムービー。
マッツァ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ここまで歳は離れていないが、弟がいる兄の立場として、この作品の兄弟の掛け合いはとても愛らしかった。兄の弟に対する視線って時に同志のようであり、また父親のようであり、そして時にはライバル(歳が近い場合限定?)であったり、微妙なものだ。デブちゃんと兄は歳が離れているせいか、親子に近い感じだったけど、観ていてイイ兄貴だなぁ・・・と感じた。例えば弟が友達と言い争っていると、自分が立ち会って正々堂々喧嘩させたり、些細だけど多分父親じゃできないことじゃないかな。兄貴ならではな気がする。デブちゃんがまた、放って置いたら何をしでかすか分からん問題児タイプ(校長を店長呼ばわりなんて最高!しかも、無自覚で問題起こすから始末に負えない)で、オヤジに押し付けて自由になりたい兄の気持ちも良くわかるけど、ラスト泣いてる理由に「お腹すいたー!」なんて言われたら「しょうがない奴だな・・・」と抱きしめてやるのが兄弟の情であって、思わずホロリとさせられるのだ。

ニュー人生ゲームさんと同じく「お前は草か!」は映画史上に残る名ツッコミだと思う。これが翻訳家の意訳だとしたら、凄いセンスだ。元は何と言っているのかも知りたい。

それと、風を切って走る機関車のシーンで時たま流れるBGMも印象的。思いっきり民族的なものが使われるかと思いきや、ブラジル音楽(Lo Borgesあたりのギターカッティングとか)を彷彿とさせるようなものもあって気になる。

(評価:★4)

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