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[コメント] チャンス(1979/米)

ピーター・セラーズのキャラクタ造形が光る中高年向けファンタジー。或いは哲学映画。その訳は・・・
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ラストでセラーズが水の上を歩きながら、傘で確かめる処に、主人公が本当は自分が何なんだか分かっていない事を表現している。彼は「善良なる死神」であったが本人は気がついていない。テレビが好きなんてところが、伊坂の『死神の精度』(原作既読・映画未鑑賞)の元ネタ?じゃないか思うほど。こう考えると、ほとんどファンタジー。

また作中で使われた音楽、「ツァラトゥストラはこう語った」(『2001年宇宙の旅』で有名な)から、彼は哲学者ニーチェが提唱した、新しい人類のあり方である「超人」であって、大統領をはじめとした彼を取り巻く人々は「畜群」であるという見方をすれば、立派な哲学映画である。

(評価:★4)

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