[コメント] 不良少女モニカ(1952/スウェーデン)
映画を見終った人むけのレビューです。
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親への反抗、社会への反抗から家を出て仕事を辞めて、モニカとハリーの二人は一夏の船の旅をするけれど、その間にモニカは妊娠して、彼ら自身が親になる.
ハリーは子供ができたことを知って、町へ戻って堅実な家庭を築こうと言う.事実、彼は結婚してから真面目に仕事をして、なおかつ勉強して幸せな生活の実現に努力するのだけれど. それに対してモニカという女の子、結局はどうしようもない子で、恋人に対してわがままなだけでなく、仕事もする気がない、育児も嫌いで親としての勤めも果たさない人間のくずなのね.
ハリーは幼い頃母親を亡くして片親、モニカは子だくさんの家庭、人それぞれに家庭の事情があり、また同時に仕事への不満もあるはず.若い頃は何もかも捨て去って旅をしたい誘いに駆られることも誰にでも有ることなのでしょう.けれども、さて自分達が親になったとき、モニカは親になれないわがままな女に過ぎず、逆にハリーの方は親としての勤め、夫としての役割を果たしました.モニカとハリー、若い二人の出来事は、親になるとはどう言うことかを単純明瞭に描いています.
最後の回想シーン.誰にでも若い頃の自由気ままに生きていたときの楽しい想い出があるのでしょうが、それは子供だから、言い換えれば誰に対しても責任を負うものがないからこそ得られる自由であって、子供を抱きながら想い起こすハリーは、親としての責任を自覚すると共に、楽しかった日々の出来事は、過去のものに過ぎないことも自覚したのでしょう.
モニカは親としての勤めを果たそうとしない.そんな親は居なくて構わないのね.
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