[コメント] 鏡の中にある如く(1961/スウェーデン)
海水にミルク。ラテン語にポルノ雑誌。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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人間が恭しく取り扱う、海水にラテン語。そこにミルクやポルノという、そもそも人間の思想・行動の基底を成すような要素が混じり合うとき、異様な不安感が生じる。
そして、やがてはミルクの乳白色も海に溶け、ラテン語の本に隠されたポルノ雑誌もそれだけを取り出すことは可能なのだが、混じり合ったその瞬間の記憶、その余韻はしばらく残る。
家族の中での狂人、カーリン。神を待ちのぞむ人、カーリン。
彼女が家族に投じた波紋は、あの取り繕ったような雄弁な父と息子の会話で、消えうるのだろうか?カーリンの母が残した波紋が、こうして次なるカーリンの波紋を呼び起こすようには、ならないのであろうか?
ベルイマン自身の思いははかりかねるが、あまりにラストの会話は虚しく響いてならなかった。
〔★3.5〕
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