[コメント] ベン・ハー(1959/米)
これでもか級の大スペクタクルはもちろんのこと、善悪を単純に色分けしない凝ったストーリーも魅力の一つ。
いま観ても色褪せない、ってことはないが、実写ならではの緊迫感と細かな工夫は、CG全盛の近年にはかえって観られないもの。
非キリスト教徒なので奇跡の描き方についてはどうしても冷めた目で観てしまうけど、ストーリー構成上は見事としか言いようがない。ペペロンチーノ氏がおっしゃるように、「キリスト教プロパガンダ映画」であることは間違いないのだが、故に高評価。信仰心がこれだけの映画を作らせる原動力となるのなら、悪くないかも、と思えるので。ま、偉大な精神の源流をすべてイエス一人に還元してしまってよしとするのは、西洋人の知的怠慢だという気はするけれど(言っちまった!エラソー)。
感服させる意図と強固な信念でもって製作された、大いなる伝道の映画。
80/100(02/02/9見)
付記:アカデミー賞では、脚本賞だけが取れなかったみたいだが、それでもその年の5本に選ばれているのだから、やっぱたいしたもんです。(ちなみにその年の脚本賞はドリス・デイ、ロック・ハドソン主演の「Pillow Talk」だって。なんじゃそりゃ。)
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