[コメント] オール・アバウト・マイ・マザー(1999/仏=スペイン)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
不思議な魅力に溢れた作品である。物語に特に意味があまりあるようではないし、盛り上がりもさほどあるわけではない。だが、映画の主題としての“生活する”という事が見事に表されている。
私が映画を観るいくつかの基準の内の一つに、食事シーンがあるかどうか、そしてその食事が美味そうかどうかというのがある。特に安っぽくて素っ気ない食事をおいしそうに食べるシーンがあれば、それだけで評価が跳ね上がってしまう傾向がある。映画に現れる生活臭さというのがとても好きだ。
この映画の場合、殊に生活することが主眼だから、当然そう言う生活臭さに溢れている。確かに舞台はスペインで、わたし達とは随分異なる生活習慣を持ってはいるが、そう言う貧乏くささみたいなものはどこでも同じ匂いがする。それをしっかり撮りきってくれた。それだけでも私にとっては充分すぎる位。
男とも女ともつかない者達に囲まれて生活し、それが妙にしっくりいっていると言う構成も楽しい。日本でも吉本ばななの「キッチン」とか江國香織の「きらきらひかる」等という、良作はあるが、これはよくそれに似ている気がする(そう言えば『ガープの世界』もそうだ)。偏見を持たないが故、自然に仲間意識を持って生活しているのが、観ているだけでとても心地よい。
後は個人的な好みなのだが…
ペネロペ=クルス、綺麗すぎるぞぉ。もういくらでも言ってやる。彼女の美しさを観るだけでも充分この映画は金を払う価値があるってものだ。彼女は清楚な役、蓮っ葉な役と様々な役をこなすが、やはりこう言う役が本当によく似合う。時折浮かべる、困ったように見える曖昧な笑みは見飽きないな
…すんません。ファンなんです。
とにかく私の好み満載の映画で、ほとんど何から何まで私の好みと合致している。
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