[コメント] 懲役十八年(1967/日)
これもかなり良く出来た映画だ。まず、安藤昇がなかなか渋い。時折見せる笑顔もよく、とつとつとした語りだが、落ち着いた演技。人としての胆力を感じる。
また、安藤の親友でありながら、敵役でもある小池朝雄も存在感たっぷりだ。そして、特筆すべきは、鑑別所上がりの新入りの囚人を演じる、若き近藤正臣で、彼の活きの良さが、中盤の大きな見所になっている。ただ、看守役の若山富三郎が後半になって少々おとなしくなるのが、ちょっと残念。
本作も加藤泰特有のローアングルを、あまり意識させないぐらいの話の運びの流麗さがあり、面白さ、ということで云えば、最強の加藤泰作品、と云っていいだろう。勿論、例えば近藤が暴れるシーンの刑務所内のロングショットなんて素晴らしく美しい造型で、忘れ難いショットも多くある。
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