[コメント] 羊たちの沈黙(1991/米)
みんなバッファロービルは憎むのに、レクター博士は憎まない。同じ殺人者なのに。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ジョナサン・デミの苦悩はこの作品から始まった。
バッファロービルはゲイだった、殺人には変身願望という動機があった。これがこの映画の「オチ」だったわけだが、
このオチのために罪のない同性愛者たちが被害をこうむることになった。
ゲイならば異常者だ、ゲイは要注意だ、ゲイは殺人までも犯す危険な存在だ、と
同性愛者たちを排除するような動きが世界中で起こり、これに反発したゲイたちは
「羊たちの沈黙」をみるな、ゲイに対する偏見を持つな、監督のジョナサン・デミは差別主義者だ、とデモ運動するまでの行動に出た。
こういった世論の動きに心を痛めたのはデミ自身であり、
この映画でゲイを差別するために犯人に設定したわけではないと声明を出したが、 結局この動きを治めることはできなかった。
そこで次回作に「フィラデルフィア」を選択し、エイズに対する偏見をテーマに正面から挑んだ。
世界中に、同性愛者に対する偏見をなくそうとメッセージするために。
デミの苦悩に、いまはピリオドが打てたのだろうか。
自分は、世の中から偏見や差別がなくなるように祈るのみだが・・・
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