[コメント] ザ・ハリケーン(1999/米)
この映画が実話を元にしている事に違和感は無い。あの国で生きている事自体が地獄だった時代があったのは間違いないから。☆3.4点。
数多くの人々がリンチされ、殺され、無実の罪で投獄された。現在では人種差別は改善されただろうが、資本主義という怪物によって新たな非差別層が形成されている。そこに正義という光が届くにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
ハリケーンは疑念を抱く。なぜ肉親でもない黒人少年をカナダ人たちは助けている?
一方、カナダ人たちにハリケーンの全ては理解出来たか。出来ないだろう。獄中生活も理解出来ないだろう。では何故人間は繋がる事が出来る? 完全に理解しなければ繋がれないのならば、人間の未来は暗い。そこをもっと描いて欲しかった。カナダ人たちの理想と挫折。美意識と現実。誤解とおせっかい。そこからの糸口を提示して欲しかった。
対して人間の悪意は大きく、強い。悪意に組するのは実に簡単で安楽だ。そこを自覚して脱出する人間の闘いももっと見たかった。
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