[コメント] 日本誕生(1959/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が亡くなるとき、大地はどよめき、火山は噴火し、地面は割れるのだが、この迫力たるや、さすがは円谷特撮だ、という感じなのだ。
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神話的世界の映像化に、真面目に、誠実に取り組んでいるという感じだ。
だがこういうシーンにギョッとしてしまう。例えば熊襲(クマソ)兄弟を撃ち滅ぼさんと、ヤマトタケルは女装して彼らの宴会に忍び込むのだが、なんと三船敏郎(タケル役)に実際に女装させるのである。さすがに、顔までベールで覆っていて、目だけが出ている状態で、熊襲兄(志村喬)も「綺麗な娘だ」とは言わず、「綺麗な目をした娘だ」と言う(少し笑える)。だが服の上からでも男のがっしりした体格が(なんと言っても三船だし。スサノオノ尊と二役なのだが、こっちは似合っていた)が現れまくりで、はっきり言って気持ち悪い。
もう一つ、笑ってしまったのは、例の草薙剣(クサナギノツルギ)で、ヤマトタケルが周囲の草をなぎ払うシーン。僕はごく自然に、ヤマトタケルが剣で周囲を一閃、あたりの草は自ずとなぎ倒される、そんなシーンを期待した。そしたら、お百姓さんが鎌で草を刈るみたいに、一掴み一掴み、左手で草をつかんで 右手の剣で草を切って周り始めた。これは本当におかしくって、声に出して笑ってしまった(周囲の方、ごめんなさい)。まあ、どんな鋭利な刃物でも、そうしないと草は刈れんが、実際・・・。
日本の古代神話そのままに、おおらかな映画だった。こちらももっと寛大な心で受け入れてあげればよかったのかもしれない。
(13/10/14記)
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