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[コメント] 足にさわった女(1960/日)

話やキャストは面白いのに、映画がいまいち面白くないのは何故だ?
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「世の中、金だ」「現代は犯罪とエロ、グロばかり」というフリと、「故郷」というオチがいまいち巧く絡んでないように見える。

いや、脚本上は、故郷への復讐→そのために金が必要→犯罪→故郷がない→喪失感→心の故郷→男女関係、という具合に綺麗につながっている。 そしてぐるっと回って、心の故郷を失った現代人→金と犯罪が横行する現在、という壮大な構図になっているんだと思う。

それが巧く絡んでないように見えるのは、たぶん、全体的にアップアップしている感じがするからかもしれない。 ていうか、そもそもこの話で、そんな壮大な構図に持っていく方が無理なように思えるが。

アップアップしてるような印象を受けるのは、軽快さも猥雑さも中途半端だからかもしれない。 市川崑の軽快さが意識されたのかもしれないけど、思い切って猥雑な方に大きく振れた方が面白かったんじゃなかろうか。 むしろ、川島雄三向きだったかも。

(09.08.22 CS録画にて鑑賞)

(評価:★3)

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