[コメント] 月世界旅行(1902/仏)
創り手にとっては人の顔をした月なのだろうが、どうしても月の顔をした人(月面人?)に見えてしまった理由。
スマッシング・パンプキンズの"Tonight, Tonight"のPVの引用元ということで機会があったら観てみようと思っていた一本。PVのイメージだともっと幻想的なものかと思っていたら、案外現実的でグロテスクな感じがした。
映画という新しい媒体が登場したての時期、リュミエール兄弟の『列車の到着』が現在の映画的表現との強いつながりを見せる一方で、本作はやはり演劇や舞台の延長上からの視点をもって作られたものと感じさせる(この二つの軸の対立が映画に関してさんざんやり尽くされてきた議論なのだろうが、あまりそこに詳しくはない)。ゆえに、数かずの独創的なアイディアが光る一方で、反面、映画が映画として持ち得る独自の可能性をいくばくか削いでしまっているような気がした。
奇術師 ジョルジュ・メリエスの一生や、彼の映画への考え方、また本作は本作で以後の映画における一つのあり方を形作ったというのは興味深いが、どうしても作品というよりは「資料」として観察してしまう自分がいた。採点はせずにおく。
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