[コメント] サイダーハウス・ルール(1999/米)
この監督の趣味の良い詩情を考えると、アーヴィングの原作はあまりに生々し過ぎるのだと思う。3.5点。
エーテルに身を浸す産婦人科医とか堕胎とか近親相姦とかニセの経歴とか・・・。(この原作は未読だが)アーヴィングだとそこから、人間というイビツな存在のおかしさや哀しさが見えてくる。そしてそのことが日常レベルで語られる事で、モラルとか常識といった曖昧な概念に波紋を投げかけてくる。この監督の場合、それらのグロテスクさをあくまで趣味の良い詩情と共に、サラっと流してしまっている。そのことに、アーヴィングの世界に向き合い切れてないもどかしさを感じてしまう。でも結局その難点は、監督のキビしくなり切れない人の良さからくるのかと思うと、到底ニクんだりできないってのもあるんだけど・・・。
与えられたモノをそのまま受け取れずに、様々な世界を見ながら自らが選んでものにしていく。ホーマーのアイデンティティ探し、又は成長記としては○。いまひとつツッコミ切れてないとこもあるのだが。とはいえ孤児院の子供達の丁寧な描写なども考えると、結局ここでは興味の対象は、あくまでホーマーを含めた子供たちにあるようです。でもそんな子供達に注がれる視線の温かさは、とても好きです。
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