コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 雄呂血(1925/日)

熱い反逆のニヒリズム。そのカタルシスをチャンバラにもたらした傑作。

・・と、ふつうには言われている。理不尽に追いつめられた主人公が、クライマックスに至ってついに積もりに積った怒りを爆発させる。ラストの立ち回りは、孤独な剣士と取巻く追っ手との対決を走り回る身体と素早いカット割で鮮やかに描き出していて、やはり熱いものがある。(監督は当時のハリウッドの手法を導入したらしい。)

だが、難点を言うと、主人公がどうも運が悪いだけの男にしか見えない(^^;。正義漢ではあるのだが、愚直と言えるほどの気骨を滲ませる人物でもない(^^;。それだからして、どうも「熱い反逆のニヒリズム」というほどのものがない(^^;。このスジ描出の弱さはサイレント映画故のモノなのかもしれない。

ちなみに、ビデオ版の活弁は松田春翠。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)tredair[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。