[コメント] クリクリのいた夏(1999/仏)
ノスタルジーとは過去を美化することであり、それは人にとって、無くてはならない尊い行為だと思います。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
おばあちゃんになったクリクリが最後にも言っているように、
この話は極端に脚色されているかもしれない。
本当は貧しさの中の自由というものが、
簡単には手に入らないことをみんなが知っているからこそ、
この映画は美しい。
時間が全てを解決してくれる。
回想することで人は許しあえるし、苦しみも憎しみも消える。
風邪で寝ているクリクリが、いつもヒステリックな母親に、
「なぜいつも意地悪をするの?」と純粋な瞳でたずねたとき、
母親は頭を抱えて悲しそうに、苦しそうに、「さあね・・・なぜだかね・・」と答える。
このシーンが不思議に胸に残りました。
本当はリトンは、ただの大酒のみの怠け者でいつも足を引っ張る厄介な存在だったかもしれない。
ボクサーのジョーも情け容赦ない粗暴な男だったかもしれない。
けれどクリクリの思い出の中では全てがいとおしい断片であり続けるのです。
幼いクリクリの笑顔にも癒されましたが、
回想中のクリクリおばあちゃんの、あの幸福そうな笑顔がとても素敵でした。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。