[コメント] あの子を探して(1999/中国)
この映画を観て、ビクトル・エリセの映画に通じるものがあると感じた。小学校の教室と『ミツバチのささやき』のあの小屋が重なって見える。光の陰影の捉え方に共通点があるのかも。エリセにはスペインの濃密な空気があり、チャン・イーモウには中国の乾いた大地がある。二人ともその風土にしっかり根付いた監督だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ウェイ先生を含む子供たちがリアルで図々しくていい加減で貪欲でふてくされてるのが良い。そうでなければ感情移入出来なかっただろう。
ウェイ先生が他の客の残り物の麺を隠れて頬張るシーン、悲しくて寂しくて辛くて泣きそうになった。ホイクーの「魏老師」にもホロリ。
ラストの大袈裟なまでのハッピーエンドぶりは、この映画の制作背景を考えれば納得できる範囲。寧ろ、それでも充分良質な映画なんだから、民主主義国家の映画作家がこれ以上の作品を創れなくてどうする、という感が強い。
黒板に文字を綴るラストシーンは、映画史上に残る美しさだと思う。
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