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[コメント] HELP!四人はアイドル(1965/英)

行き当たりばったりというか、皆でブレインストーミングでもした結果を取捨選択して適当に繋いだだけ、という感覚を持たせるが、多分、かなり考え抜かれたプロット展開と演出なのだと推測する。
ゑぎ

 この当時のリチャード・レスターの、もう「芸」といっていいのでないか。今見ても面白い。ただ、フォーカスの演出(フォーカスアウト、フォーカスイン)を繰り返す部分は、落ち着きがなく、私は好きじゃない。

 プロモーションビデオ風の楽曲シーンの背景が、必ず次のシーケンスの舞台に繋がる、という一貫性が、周到さを感じさせる一つの理由だ。唐突にアルプスへ旅立ち、雪の中でスキーやソリ遊びをしながら、"Ticket to Ride"を唄うが、唄い終わると、雪山を舞台に、追っ手たちとの追跡劇になる、というようなことだ。中でも、"I Need You"と"The Night Before"の2曲の演奏がある、広い野原(ストーンヘンジのカットがある)の戦争映画ごっこ場面は見応えがある。兵士や戦車は、賑やかしかと思っていたら、けっこう真面目に戦争シーン演出を見せるのだ。砲撃。ハンディカメラ。空撮もある。

 追っ手たち、クラン導師のレオ・マッカーンとその助手?の女官アーメを演じるエレノア・ブロン。マッドサイエンティストのコンビ、ヴィクター・スピネッティ博士とロイ・キニア。いずれもいい味を出していて、楽しめる。エレノア・ブロンが初めからどう見ても、導師を裏切っているとしか思えない、ふざけた行動ばかりし、各シーンで衣装をとっかえひっかえしている、あるいは、カメラ目線でウィンクするカットがあったりと、ビートルズだけでなく彼女のプロモーション映画のような趣きもある。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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