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[コメント] アラビアのロレンス(1962/米)

好きなシーンとか脳裏に焼き付いているシーンとか、たくさん挙げられる映画と思う。
カフカのすあま

空と砂漠の割合。のんびりした顔のラクダ。ピーター・オートゥールのまったりした喋り。なんだかやたらイロイロ印象に残る。

You are free to choose your name とオマー・シャリフがオートゥールに向かって言う言葉は、もちろんストレートなロマンなのだけど、現実には自由なんかないという皮肉。誰も肌の色は変えられないし出自は隠せない。だから、自分という人格を変えたり、捨てたりなんかできない。

同様に、人は生れ落ちたときから自由だ、なんてただの幻想。政治家の息子は政治家になり、商人の息子は商人になり、役者の息子は役者になる。これは 20 世紀の自由資本主義が明らかにした現実だァ。(社会主義にはゼッタイ反対だけど。)

オープニングの木漏れ日の下をバイクで走るオートゥルのシーンは多弁だ。夢を見ることは出来なくても、ノスタルジアを味わうことはできる。

ということで、イギリス帝国主義の匂いには鼻をつまむことにしよう。この映画がつくられた「時代」も変えられないんだし。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ロボトミー[*] わっこ[*]

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