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[コメント] 漂流教室(1987/日)

原作は「映像化不可能」と言われていた。映画館を出て思った。「やっぱり不可能だった」
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 楳津かずお原作の、当時は映像不可能とまで言われた同名漫画を、大林宣彦監督が映像化する!

 それを知ったとき、結構ゾクゾクした記憶がある。そうか、大林監督なら何かやってくれるかも知れない。そう思ったのである。

 確かにやってくれた。さすが大林監督。  期待をこれほどまでに見事に裏切ってくれた映画は滅多にない。そう言う意味では、この作品は数多い私の映画遍歴の中でも裏切りの最上位に位置する。

 原作者は元々ホラー漫画を得意としているだけあり、原作の漫画は画面からおどろおどろしさがあふれている。困難に打ち勝つたび、憔悴していく主人公達の姿を見るだけで痛々しかった。しかも、ラスト近くにあった「豚」を食べるシーンは倫理ギリギリ(若しくは超えていた)ほど。最初にあれを読んだのが小学校の時で、恐すぎて夜眠られなかった記憶さえある。  それがどうだ。  このチープさ。このいい加減さ。  何でこの原作を、青春もののストーリーに持っていくわけ?  何で肝心なストーリーではなく、枝葉末節で怖がらせようとするわけ?  背景の絵はなに?これを演劇と勘違いしてない?  「大和小学校」を国際学校にした理由は?  CGがしょぼいのは時代的に許せるとして、使い方が無茶苦茶。  とどめは友人達や先生を襲い、殺しまくったモンスター(これがゴキブリみたいで全然恐くない)と和解するシーンで終わっている…

 こんなので良いのか?後悔はないのか?スポンサーにどう顔見せした?大林宣彦?

 結論。この作品はやはり映像不可能作品だった。

 でも、現代でこそ、CG駆使して出来ないかな?

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)死ぬまでシネマ まま 水那岐[*]

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