コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)

ひさびさの衝撃。また眠れない日々が...ちなみに画面のブレは”演出”とはちっと違うんです。
あまでうす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







エクソシスト』『デッドマン・ウォーキング』に匹敵する衝撃でした。

第一印象:トリアーってのはサディストだ。ボクがサドだから、よくわかります。ありゃあ、虐めて虐めてやめられなくなるタイプですな。その中で、夢と(幻想といってもよろしい)愛を見いだしたのは、トリアー監督ではなくて、セルマ本人(になりきったビョーク)だったと思いますよ。

第二印象:現実ってコワイなぁ。ミュージカルシーンの盛り上がりが唐突に終わるあっけなさがコワイ。その後の現実がもっとコワイ。「最後の曲は嫌い。それでミュージカルが終わってしまうから」というセルマの気持ちがよくわかります。夢のようなミュージカルが終わった後には、あまりに冷たい現実が待ってるんですから。

第三印象:もしかしてハッピーエンド???最期、歌うでしょ? あれ、楽しそうなんですよね。一瞬、あの歌もセルマの白昼夢かと思ったんだけど、周りの人たちの様子で違うとわかる。現実を夢にしちゃったカンジですな。で、歌を歌い終わる前に、いきなりストーン! 最初見たときは、びくっとしてしまって、怖いやら哀しいやらでやるせなかったですが、よく考えるとあれでいいんでしょうね。歌が終わる前に、映画館を出てしまうのが、セルマの望みだったんですから。

第四印象:これもミュージカル映画これもミュージカルなんですね。主演はセルマ。彼女が力いっぱい、歌って踊るミュージカルです。「子供のために命をささげた偉い母親」の単なるメロドラマではないですよ。悲しいばかりのシリアスドラマむじゃないですよ。鮮やかなミュージカルです。最期、歌うでしょ? で、歌がとぎれて幕が(カーテンが)降ろされる。あそこで泣いちゃなりません。あそこは拍手。拍手です。「ブラボー!!」会場いっぱいの拍手。セルマはお辞儀をしたり、アンコールに答えてくれないけど、素晴らしいフィナーレでしたでしょう?

そうでなきゃ、あまりに哀しすぎる。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ALPACA[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。