[コメント] 天井桟敷の人々(1945/仏)
犬神家の高峰三枝子そっくりのアルレッティを九相図の骸骨に見立てて観れば、恋と嫉妬の物語がそっくりそのまま煩悩の説話になり、面白かった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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昔は大女優の扱いは難しかったということか。可愛いドレスなんか着て、肩の辺りに老醜がこびり付いている。演劇では許されても映画じゃ駄目よ、という観客目線の常識がこの頃のフランス映画にはなかったのだろう。比べればベティ・デイビスなどは立派なものだ。
岡田茉利子似のバチストの奥さんの献身が心に残る。「屋根裏を歩く夢遊病者に声をかけたら落下しますわ」。それともちろんジャン・ルイ・バローのパントマイム。当時のフランス映画らしく構図の才に乏しい作品だが、彼の舞台を追うときのキャメラワークはいい。首括りの紐で縄跳びや洗濯干しを始める件がとりわけ素晴らしい。
ピエール・ブラッスールの件はどれも面白いが、別に彼がいなくても話は完結しているように思う。私がプロデューサーなら全部カットするなあ。ヴィシー政権下、大作撮るぞ! と無理矢理長尺にしている感否めず。
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