[コメント] クリムゾン・タイド(1995/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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なんと言っても残念なのは艦長の方が圧倒的に「映画の世界では」悪役でありそこからの結論で副官が勝つというのが見え見えなところだろう。
例えれば水戸黄門の番組冒頭で越後屋と黄門様が言い争いになったとする。みんな黄門様が偉いっての分かってるから最後の決着が見えている。この場合そこまでの経緯がカタルシスを生むものだから意味はあると思うのだが、じゃあ翻ってこの映画はどうよ、と言ったら本来狙ったのは「艦長、副官の言い分は互角で最後にどう転ぶか分からない緊張感」だったと思うのだが。
ところがしょっぱなから艦長は分別の無い荒っぽい白人、副官は知的な黒人といういかにもな対立構造で客にどちらが正しいかを暗黙のうちに説明するし。現状のハリウッドで無知な黒人艦長、知的な白人副官、なんて構造が人種的に許されるものではないのが仇となった感がある。
結局善悪はっきりしすぎなわけでここで最後の結末がほぼ読み取れる。観客の主な関心はいかにして強大な権力を持っている白人のバカ艦長を押さえ込むかにかかっているわけでそれが面白いのかどうなのかと言われれば微妙(笑)
それに拍車をかけるのはやはり軍人ってのは職業柄考えちゃいけない立場にあるわけで彼らが一般の人の様なモラルを持つのはやばい。軍人できれい事言う人ほど信用しない方がいいのだね、現実には。そこら辺が映画的には許せるけど現実にこういう副官がいたらあんま褒められたものではない。
まあハリウッドつったらほぼ民主党支持者だしね。こういう構造は彼らの望むところなわけだが。
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