[コメント] チャップリンの殺人狂時代(1947/米)
いちど見たら忘れられない美しい女優さんが出ていたが、他の作品で見たことない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本邦では『殺人狂時代』の名で知られる本作だが、原題はシンプルに「ベルドゥ氏」。チャップリンが連続殺人鬼に扮するクラ・コワイイ作品である半面、ギャグの冴えたコミカルな作品でもある。一般的には裁判シーンで主人公が語る「一人を殺せば犯罪だが、戦場で100万人殺せば英雄だ」のセリフが有名で、ここだけ独り歩きしているの感がある。チャップリン得意の笑いの間を、うまくサスペンスに転じた作品、といったところではないか。
印象に残るシーンは、コメントに書いた女優さん(マリリン・ナッシュ)演じる街娼との夕食シーン、また“奥さん”(マーサ・レイ)との湖上ボート未遂殺人シーンなど。裁判のシーンなんかは実際にはあっさりしたもの。むろんチャップリンは、殺人を正当化したのではなく、映画に戦争批判を込めた訳だが、第二次大戦が終わった翌々年の作品という背景も勘案する必要はあるだろう。むしろ僕なんかは、この後に続く死刑当日の告解シーンの方が印象深い。安易な反省の弁なんかを述べる訳ではもちろんなく、一度は勧められて断ったラム酒を、思い直し、まだ味わったことがないからと試すのである。
そして、やはりラストシーン。チャップリンが映画のエンディングで多用してきた、こちらに背を向けて画面の奥に向かって歩いていくシーン、今回、その向かう先には死刑台が待っているのだ。
85/100(14/08/28記)
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