[コメント] グレアム・ヤング毒殺日記(1995/英=独)
これが実話とはマジ怖い。希代の毒殺魔を夢見た少年の、人格形成ならぬ人格変形の物語。
ビルドゥンクス・ロマーンの形式を借り、ゆがんだ人格の形成過程を描いた犯罪映画。
どこにでもいるような、おとなしくナイーブだけど小ずるいところもある少年。ちょっとしたショックと挫折をきっかけに、少しずつ軌道からずれていく。その心理的ヒダを克明に描いてみせた。
もちろん、最終的には毒殺魔になってしまうわけで、いくら説得力があったって、それは単なる一つの解釈に過ぎない。彼の犯した行為を肯定することはできないが、かなり説得力があることは確かである。
また主人公役の少年(ヒュー・オコナー)が、実にあどけなく可愛らしい顔をしていて(『マイ・レフト・フット』の少年とのことだが、私はよく知らん)、なんでまたこんな犯罪者に、と感じさせるのに一役買っている。
その後本買って写真で見たが、実物のグレアム・ヤングは結構醜悪な顔してたので安心した。
80点/100点(2000/11/29)
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