自分のクローンが知らない間に作られていて、そいつに自分の生活を乗っ取られた･･･。この程度のアイデアなら別の形でいくらでも存在する。凄いのは、果たしてクローンは人間なのか、人間としての権利が認められないなら殺していいのか、あるいは自分が死んでもクローンが生き残れば自己同一性は保たれるのか、といったアイデアを織り交ぜながら、見応えのあるサスペンスに仕立て上げてる所。

『ゴースト』で悪い友人カール役を演じていた俳優（トニー･ゴールドウィン）を10年ぶりにスクリーンで見た。当時から演技のうまい役者だとは思っていたが、ずいぶん存在感のある役者になったもんだ。

結末も、これからどうなんの？という感じで不満だし、75点（＝水準は超えている）くらいの出来だが、不必要な暴力シーンを避けたり、クローンで問題になる｢倫理観」の問題に踏み込んでいたりする姿勢に好感が持てるので、おまけの80点。（01/09/23書直）