[コメント] さらば、わが愛 覇王別姫(1993/香港)
少年時代のふたり、兄弟のように寄り添う石頭・小豆役の子どもたちのぶつかり合いは見事というしかない。大人の演技が野暮ったくさえある。そして、レスリー・チャンは、パフォーマーとしての非凡な才能を残らず使ってこの映画に挑み、堂々と勝った。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「大王様!」もう、ここの節回しなんかとっくに覚えてしまった。降り注ぐライトと「ブラボー!」のなかで、カーテンコールにこたえる蝶衣(レスリー・チャン)のまぶしかったこと。それは、この作品とレスリーへの賞賛の嵐を象徴しているんだなあと思い、何度観ても、本当にいいシーンだ。
文革の頃。出番を控えて、もうその頃にはすべての役者が、舞台裏の控え室を共有して仕度をしている中で、おしろいの乗りやマニキュアのチェックをしている蝶衣の姿が一番好きで、そしてもっともつらい数分間。舞台前の緊張と集中をかき乱すその事件が、さまざまな苦しみを乗り越えて芸に生きようとする蝶衣を更に鞭打つ。
アーティストが糾弾される場面で、ついに、母親への恨みが、菊仙(コン・リー)へ向けられて噴出してしまう。この姿を、できればみたくなかったけれど、監督は全く容赦がない。
そして、問題のラストシーンを迎える。ラストシーンの、小樓(チャン・フォンイー)の微笑みは何なのか。今でも、どうしてもわからない。
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