[コメント] PARTY7(2000/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
キャスティングの魅力も石井作品の魅力のうち(そして“スタイリッシュ”であることの重要な要素)のはずなのに、そもそも役者自体のラインナップが『鮫肌男と桃尻女』からは数段落ちる。
永瀬正敏が一つのウリになっているにしても、「NAGASE VS ASANO」なんてクレジットがって出てくるわりには、一人だけフツーの人っぽくて、異形のキャラのオンパレードの中で沈んでしまうのではしょうがない。
ヒロイン(小林明美)はセリフも芝居もヘタすぎて、プロポーションだけでは花にもなれない。
我修院達也再び大爆発! のところだけは面白かったけど、それにしたって彼に期待していた役割の再確認で終わってしまう(※1)。
若頭(我修院)の「アンタたちは、何っ!?」にしても、原田芳雄の「私はキャプテンバナナ!」の連呼にしても、『鮫肌……』の拙コメントでも書いたように、舞台演劇だったらウワッと拍手したくなるかもしれないにしても、映画ではカットが変わるのと同時に気持ちも切り替えられてしまい、その盛り上がりが続かない。
あえて言うなら、浅野忠信の“いつもの”サイコ演技と、だんだん最近の(サントリーのDAKARAのCMや、『摸倣犯』のような)彼に近づいてきた津田寛治が見られたことだけはうれしかったけれど、そこまで。
結局のところ、「垂直に落ちてきたウンコ」っていうのは、この映画そのものだったんじゃないか(そして、「やっぱり嘘じゃないか……」と脱力してつぶやかされるのも同じだったりする)。。
99年に『鮫肌……』、2000年にこれ、ときて次が今のところないわけで……っていうのが、現実的な石井克人評、ってことなんだろう。
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※1
この作品の舞台あいさつにあらわれた我修院達也は、映画中のコスチュームとメイクで登場……したけれど、若頭ではなく、なぜか「ヤマダ(『鮫肌……』)」だった。というのは、どこか象徴的かも。
結局、石井ワールドの中では、ヤマダ(あるいは我集院その人)が一番強烈な存在になってしまっている。
それだけ彼の存在感やキャラが頭抜けてたからなんだろうけど、周りが地盤沈下してることがさらに影響して……ってことかもしれない。
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