[コメント] 簪(1941/日)
この空間演出は、この時代の日本が舞台だからこそ成立するもの。
引き戸一枚で隔てられた各部屋の客たちが、引き戸越しに聞こえる声で間接的なコミュニケーションを行なったり、引き戸が開けられる事で、ワンショットの内に、画面奥まで並ぶ各部屋が一目で見てとれる構図が成立したり、そうした空間的なシチュエーションがそのまま客たちの、互いに見ず知らずでありながら自然とコミュニティを成していく関係とパラレルである事。
この、バラバラでありながら関り合う関係と対照的なのが、「団体客」。
『按摩と女』の姉妹編のようでもある。ショットの構図や、設定など、共通点が幾つかある。
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