[コメント] ペイ・フォワード 可能の王国(2000/米)
いい加減な展開、人物の動機描写の希薄さには首をかしげざるを得ない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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3人の演技を見ているだけで、ラストまで飽きずに見られたし、それなりに身につまされる細部もあって、この映画の存在自体は悪くないと思う。多くの人に訴求する映画でしょう。しかし、いい加減な展開、人物の動機描写の希薄さには首をかしげざるを得ない。例えば、少年が先生と母親の夕食をセッティングする場面、少年の家出を思い止まらせる場面、改心したはずの父親の扱い、母親と祖母との和解等々もう少し丹念に演出して欲しい。特に父親役のジョン・ボンジョビの役回りは非道過ぎますね。暴力的な見せ場を作らなきゃ嘘でしょ。原作は未読ですが、原作をまとめきれなかったのだろう、と思いながら見た。
また、前半の時世の解体は全く逆効果。観客を混乱させるだけだ。ジャガーがプレゼントされる出だしなんか結構良いのだから、もう少し素直に繋いでいたらまた違った映画になっていただろう。
ただし、善行の無限連鎖については偽善も胡散臭さも大して感じない。「善行」という言葉を使ったが、ここで描かれている「恩送り」は、実は社会的モラルと全く切り離された、自分勝手な(或いは自己満足の)「人助け」であり、さらに言えば、自己を救済するための方便だ。登場人物もその点をよく認識しているように描かれているところが映画全体を救っている。:-P
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