[コメント] アタラント号(1934/仏)
じーさん、『気狂いピエロ』でジャン・ポール・ベルモンドにモノマネされてます。
フランス映画界には1951年よりこの監督の名を冠したジャン・ヴィゴ賞が設立されていて、毎年その年の気鋭の新人による作品が受賞しているとのことだ。有名なところでは『勝手にしやがれ』や『ラ・ジュテ』等が受賞している。
「あまりにも反時代的な映画作家の実験精神を、映画的資産として後世に伝えるため」というのが賞の精神であるそうだが、そういう賞を(この映画がたどった数奇な運命を忘れないためにも)設けてある、そしてその賞にしっかりと彼の名を冠している、というのは(自国の映画史における恥となる部分を隠すのではなく、あえて前向きに対峙しようとしているという意味でも)素晴らしいことだと思う。
そしてそのことについて考えると同時に、この映画が持つ実験精神、シュールな映像や斬新な人物像の設定などを思い、あらためて感動する。
ありきたりなどこにでもありそうな話。それでも、設定や撮り方によって映画はかくも魅力的になる。ただのフィルムが、光り輝く魔法のフィルムになる。
願わくば、もっともっと彼に映画を撮っておいてもらいたかった。それだけが、唯一、切ない。
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