[コメント] 愛のメモリー(1976/米)
後悔先に立たず。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これがデ・パルマ版『めまい』と言われる所以は、話の展開がそっくりというのもあるが、これが後悔の映画だからだ。妻をなくしたクリフ・ロバートソンがジュヌビエーブ・ビジョルドに異国の地で出会い、彼女を見つめるまなざしは驚愕と共に、もう一度やり直せるかもしれないと言う期待感に満ちたものだった。
思えば『めまい』の主人公も愛する者を助けられなかった後悔からそっくりな女性をその人に作り上げようとする。そんな、男の切なさがデ・パルマ映画のもうひとつの魅力なのではないかと最近は思う。デ・パルマ映画に見られる人間への深い哀しみの視線、ただのヒッチ好きで長廻しの監督ではない。
それをキーに彼の映画を観てみると…
『キャリー』ではエイミー・アービングがキャリーをいじめた後悔から恋人を譲ってまでもプラムに行くようにと勧める。
『殺しのドレス』では母親を救えなかった息子の後悔が犯人探しの根底になっている。
『ミッドナイトクロス』では結局愛する人を救えなかった録音技師が、後悔の念から死の直前の悲鳴を仕事に使ってしまう。
『ボディ・ダブル』では主人公は手が届きそうで見殺しにしてしまう。
ただし話し自体が先の読める展開なのが惜しいかな。ジョン・リスゴーが怪しいと思ったらやっぱり…だったしね。
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