[コメント] ギャラクシー・クエスト(1999/米)
才能の限界
作中の演出から、ある箇所において「見せ場」「山場」を仕掛けているのは何となく理解できる。しかしどのような仕組みで、どのような効果を狙っているのかが全く理解出来ず、私にとって極めて難解な作品だった。
この事態はスターウォーズを楽しむ才能が皆無である私の趣向に多く原因が潜んでいるような気がしてならない。似た系統の映画で言えばスターシップ・トゥルーパーズは楽しめたので、結局は俗っぽさを多く欲する私の感性が幼稚なだけなのかもしれない。しかし一つ言わせてもらえば、ギャラクシークエストにも宇宙人がバラバラになって体液が飛び散ったり、大きく開いた胸元から見える谷間といった描写がポツンと存在しており、過激な作風を抑えたいのかそうでないのか一貫性が感じられないとも思った。
構成としては特に前半が不可解だ。
主人公の心理的葛藤は軽く触った程度で、娯楽作としてはセットがチープすぎる。コメディとしての作りは人対人の心理描写の噛み合わせによる笑いに欠けるので本格的なものとは言い難い。宇宙船の中で主人公たちが地球外生命体の高い科学力に驚く様子をほぼ単一視点で数十分流し中盤に達するこの構成はいかがなものだろう。
唯一、味方の宇宙人たちは凝った造形と思えたし、主人公らに対する純真な想いに感情移入出来た。それならば物語冒頭は宇宙人視点と交錯する形にすれば感動作として成り立ったのではないだろうか。この作品を通してどういった感情を刺激しようとしたのか私には見当もつかない。
2012/03/10
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。