[コメント] カビリアの夜(1957/伊)
これは暖かい復活の話なんかではなくて、冷徹なリアリズム映画だろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラストシーンはこう見るべきだ。
彼女は人に影響を受けやすいタチだ。周りが陽気に騒いでいると、自分も陽気になる。どんなに気鬱な状態でいたとしても、だ。だからラストシーンは一時的に気分を紛らわされたにすぎない。
もっともあそこであんな連中が現れたということ自体は、聖母の奇跡といえるのかもしれないが。
その後、彼女はとりあえず友・ワンダの所に帰り、もう一度大泣きする・・・そして、今後も体を売っては金を貯め、また男にだまされ金をとられる。そして・・・また立ち直り―、そんな生涯を送っていくのだろう。(洞窟はデ・ジャヴになるのか。)
オープニングは、彼女が騙され殺されかけるところから始まる。その前には、今我々が見てきたような、全く同じではないが類似した物語があったに違いない。フェリーニは言っているのである。何も変わっていない。色んなことはあるが、結局これからも何も変わらないだろうと。(可哀想だがそれが現実だ。)
裏にフェリーニの冷徹な目を感じる。
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