[コメント] ハンニバル(2001/米)
これは続編ではないかもしれないね。
監督も主演も違い、監督は前作の伝説的イメージを壊す必要もあったのか(そうする他ないのだろうし)、自分の個性を存分に出し思い切った撮り方に出ている。違う映画だと思って観ると、豪華なロケや迫力あるカメラワークといい、露骨すぎる寸前の描写といい、十分に面白くアドレナリンを放出させる刺激に溢れている。
しかし、好みの問題もあるが、前作の完成度が高かっただけにそっちのほうがずっと好きと言わざるを得ない。檻の中のレクターがまるで超自然的エネルギーかなにかのように、静かに人の心の隙間に忍び込んでいくあのスリル!そして役者たちの、抑制の効いた中から動揺を露にするような演技。。。今回作ではレクターにやや俗っぽさが出てしまい、あまりに超人的過ぎるパワーには(『エルム街の悪夢』じゃないんだから)カリスマというよりかえってうそ臭さすら漂う。ジュリアン・ムーアはいいのに、クラリスのキャラクターの影が薄くなりすぎたのも気になる。まあ今回の主役は「ハンニバル」か。
前作とは違う方向に転換するという意味では(狙ったかどうかは知らないけど)、成功しているし依然面白いことに変わりは無いので、「品を保ちつつもちょっとえぐめのもの」を観たい人にはおすすめ。ただし、お腹がすいているとき、食べ過ぎたとき、体調の悪いとき、妊婦の方、焼肉などのモツ系がお好きでない方、また逆に何よりのご馳走とお思いのかたは控えられますよう…。
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